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COLUMN

革は、なぜ育つのか。

使うほど深まる色。指先に馴染む重さ。それは「なめし」という加工が生み出す、革だけが持つ物語。

そもそも「なめし」って、何だろう

革は、加工されなければ腐る。

動物の皮は、そのままでは腐敗し、乾くと硬化する。それを長く使える「革」へと変えるための化学処理が「なめし(鞣し)」だ。

なめしによって、皮のコラーゲン繊維が化学的に安定し、腐敗せず、柔軟な状態を保てるようになる。

なめし方法は大きく2つに分けられる。現代の主流である「クロムなめし」と、古くから続く「植物タンニンなめし」だ。この2つの違いが、革の「その後」を大きく左右する。

METHOD 01

クロムなめし

硫酸クロムを使って1日前後で仕上げる、現代革製品の主流。均一で柔らかく、発色が豊か。水にも比較的強い。

ただし、タンニンのような化学活性がないため、使い込んでも革の色や風合いは大きく変わらない。安定した外観が長く続くため、「変わらない革」を求める用途に向いている。

METHOD 02

植物タンニンなめし

木の皮や果実から抽出したタンニン(渋み成分)を使う、古くから続く製法。仕上がりまで数週間から数か月かかる。

新品のうちはやや硬めで、色も淡い。しかし時間と使用が加わると、光・空気・手の皮脂と反応し、独特の色艶と柔らかさが育ってくる。この「育つ革」が、タンニンなめしを選ぶ理由のすべてといってもいい。

タンニンなめし革だけが持つ性質

光、空気、そして手の油分が、革を変える。

タンニンには、光・空気・水分・人の手の皮脂と化学反応を起こす性質がある。

新品のうちは淡い色でやや固め。しかし使い続けるほど色は深みを増し、表面には独特の艶が生まれ、最終的には手に吸いつくような柔らかさになっていく。

これを「エイジング(経年変化)」という。同じ革でも、使う人の生活習慣によって異なる表情になる。10年後、自分だけの革になる。それがタンニンなめしの最大の魅力だ。

MATERIAL GUIDE

この革は、どこから来るのか

タンニンなめしの革には、それぞれの産地と作り手の個性がある。

栃木レザー — 日本の植物タンニンなめし

栃木県の老舗タンナー(なめし業者)が手がける、日本産の植物タンニンなめし革。きめ細かく均一な繊維密度が特徴で、長期使用に耐える強度と、エイジングの美しさを両立する。

シンプルなデザインの財布ほど、エイジングが映える。革の変化そのものを「デザイン」として楽しみたい人に向いた革だ。

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ブッテーロ — イタリア・トスカーナの傑作

イタリア・トスカーナのタンナー、ワルピエ社が製造する植物タンニンなめし革。表面に余分なコーティングをほとんど施さない仕上げで、革本来の素地が空気に直接触れる。

そのためエイジングの速度が速く、変化のダイナミズムが大きい。手にしたその日から、育てる楽しさが始まる。

ブッテーロ革の商品を見る